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幻想水滸伝I HD Remaster ゲームメモ

執筆者の写真: FAN SOOBIN
FAN SOOBIN
10月16日
読了時間: 10分
水面背景に赤い衣装の少年2人が並ぶ『幻想水滸伝I&II HD REMASTER』の宣伝画像。中央に日本語タイトルとロゴが大きく表示されている。

■公式サイト:

■ストアページ:

■発売年:2025

■クリアに必要な時間:約15時間(Ⅰの方)

■公式概要:

物語は英雄の豹変から始まる。

かつての英雄は暴君と化し、帝国は斜陽の時をむかえた。

荒んだ帝国の圧政に抵抗するため、ついに解放軍が立ち上がった。

天地の宿星108人が、1人また1人と集い、その束ねられた力が歴史を揺り動かす。

解放軍と帝国軍、二つの旗のもとに人はそれぞれの想いをいだく。

それは理想、名誉、友情、忠誠、愛情、野望…多くの想いが人を戦場へと駆り立てる。

そして戦いの後に何を手にいれるだろうか…   


■PV:


目次



はじめに(幻想水滸伝Ⅰ)

世代ではないので、シリーズで最初に対象としたのはPS2の『Ⅲ』でした。そこから超レアルートの『紡がれし百年の時』を経て、隣の『百英雄伝』へと繋がり、今回の『幻想水滸伝 I&II HDリマスター』をきっかけに初めて初代を体験しました。


色々とスルーできない作りの粗さはあるものの、正直後期の作品より全然よかったです......(シナリオ以外は)。ちなみにこの記事は『I』の方の内容だけに絞ってメモを残します。『Ⅱ』は後日、別途の記事で投稿する予定です。

ちなみに主人公の名前は自分で設定できるので、もちろん.....!

青空の背景に、緑髪のドット絵キャラが左上に立ち、中央に「スビン」と文字入力画面。かな一覧と「ひら」「カタ」「英数」「決定」が表示されている。


【ここがいい】豊富なコンテンツだけど雑(褒め)

仕様とは全く関係ないのですが、個人的にこのシリーズの最大の特徴は「大量にクオリティがちょっと雑なコンテンツがある」という点です(決して批判しているわけではありません)。


100人以上の仲間を誘って拠点に住まわせるため、全員分の汎用会話を用意するだけでは足りず、何らかの機能性を持たせるために色々なコンテンツが生まれたのかなと個人的に推測しています。そして、まさか『Ⅰ』の時点でRPG定番の「釣り」がなかったのはちょっとビックリしました!


それぞれのコンテンツのビジュアル面とUXについても、正直まだまだブラッシュアップできるとは思いますが、遊んでいて普通に楽しいです。メインの遊び以外もガンガンできるのはうれしいので、多少の粗さはあっても「これでいいか!」と思えるのが、このシリーズに対する一番の印象です。


今回のリメイクで例を挙げると、ドット絵はリメイクされて超綺麗になったのに、戦争コンテンツの雑魚兵士たちだけなぜか画質が全然違うんですよね......

草原の戦場で赤い帝国軍と青い解放軍が対峙し、上部に帝国軍 20,000人、解放軍 18,710人と表示されたゲーム画面。

ちなみにとなりの百英雄伝がこの粗さを完璧に再現していたのは本当にワロタです。



【ここがいい】決定SEとUIウィンドウとも収集とカスタム要素





仕様の話ではなくコンテンツの部類ですが、決定ボタンのSEやUIウィンドウまでコレクション&カスタムできる要素は、今に置いても比較的レアな部類だと思います。


さらに大手ゲームとしてはもっと珍しいことに、日本の業界にはあるあるですが、こういう遊び心のあるシステムを入れたい時、大体普段は現場にいない偉い人から「こんなコンテンツ世界観に合わないのでだめです!」みたいな指摘が入るものです。なのでこうしたシステムの遊びは和製ゲームではかなりレアであり、大手であればもっとレアです。大体あっても、コンフィグに事前収録されていてコンフィグで切り替える形になりがちです。


UIの動画はこちら:



【ここがいい】主要システム仲間集めの量産パターンは優秀(ネタバレあり)

シリーズ公式としての最大の看板要素は「仲間集め」です。総数が100人以上いるため、入手の量産パターンと仕組みには相当な工夫が必要です。

大きな系統として、メインストーリー加入系、特定の仲間をパーティーに入れて話しかける系、交換条件系、ミニゲーム系、特定のシステムや進行度を達成する系などがあります。プレイヤーが少し遊べば基本の軸がすぐに把握でき、大半の仲間はスムーズに取得できるようになっています。


それに加えて、90年代のRPGで流行っていた「探索済みのエリアに出現する系」があります。他にもユニークなパターンがいっぱいで、例えばクライブは、とある街の宿屋に入った時に低確率で出現するという仕様でした。

面白いうえに、実際のマップ移動のイベントに確率を埋め込むだけで実装できるため、開発工数が低いのにしっかり印象に残るという素晴らしい設計です。


おまけですが、

仲間を集めることで本拠地が発展するRPGの比較作品リストも用意しました!

作品・発売年

仲間の集め方と本拠地の変化

ブレス オブ ファイアⅡ(1994・日本)

世界各地から住民を勧誘。候補27人から最大6人を住まわせ、ショップや特殊サービスを利用できる町を作る

ドラゴンクエストVII(2000・日本)

移民希望者を探して町に送る。住民数と職業構成によって町の規模・最終形態・商店が変化する

エターナルアルカディア(2000・日本)

船員を各地で仲間にし、クレセント島を本拠地として整備。酒場、居住区、ショップ等を発展させる

ダーククロニクル(2002・日本)

特定条件でNPCをスカウトし、ゲオラマで建設した町に配置する。住民の配置が未来の町の復興条件にも関わる

ゼノブレイド(2010・日本)

コロニー6を素材と資金で復興。各地のNPCを移住させ、住民・ショップ・クエストを増加させる

アサシン クリードIII(2012・海外)

ホームステッドミッションで職人や住民を加入させ、工芸品の製作・交易などの機能を解放する

イースVIII -Lacrimosa of DANA-(2016・日本)

島で漂流者を救助。鍛冶屋、工房などが増え、拠点の外観も変化。住民が探索や防衛にも貢献する

二ノ国II レヴァナントキングダム(2018・日本)

100人規模の国民を集め、各施設へ配置。適性に応じて研究・生産が発展し、王国を拡張する

Chained Echoes(2022・海外)

世界各地で23人のクラン員を勧誘。隠者の島が4段階で発展し、各種サービスや冒険ボーナスが増える

Sea of Stars(2023・カナダ)

マースの町に宿屋、ショップ、釣り小屋、スパを建設。世界各地から担当者を探して施設を稼働させる

百英雄伝(2024・日本)

仲間を増やし、資源・資金を使って拠点を発展。担当キャラクターが加入して初めて解放できる施設もある



【ここがいい】バトルのカメラ制御

バトルのカメラ制御は、臨場感と没入感にかなり貢献していると思います。細かい動きのルールは完全に特定できませんが、以下のような挙動が見られます。


・特定のスキル発動時は決められたカメラに遷移する

・単体対単体攻撃の時は、アップになる時とならない時があり、次のキャラクターの動作によって切り替わっているように見える

・複数のキャラクターが通常行動を同時に行う時は、大体カメラを引く


条件はおそらくそこまで複雑ではなく、少しランダム性も入っていると思います。コストはそんなにかかっていないはずなのに、バトルの豪華度が超絶アップするという点で、コマンド制バトルの勉強対象としてかなり優秀です。インゲーム系の人間はぜひ一度確認してみてください。



【ここがいい】取扱説明書をゲーム内WebViewで表示

取扱説明書がオプション内に収納されていて、ボタンを押すとWebViewっぽい表示になるのが個人的にかなり珍しいと感じました......!

調べてみたらUnity開発っぽいのですが、DualSenseのLスティックでスクロールしたときにめちゃくちゃ滑らかだったので、エンジンのデフォルト機能ではなくしっかり作り込まれているのかな......!?


ただ、このやり方をとっていれば、ヘルプ制作もローカライズもめちゃくちゃ楽になりそうですね。変なところで勉強になりました。



【ここは気になる】階段を登る表現

階段を登る表現が最高にワロタです。

RPGツクールみたいなマス単位のドット移動の時代だからでしょうか? 左側が階段のとき、手動の横移動量に加えて、強制的に上へ1マス(あるいは0.5マス)補正を入れないと階段タイルに乗せられない仕様なのだと思います。その結果、横方向の階段を登るときにキャラクターが上下にガチガチ揺れるやつですねww


当時の開発陣もかなり悩んだんだろうな......っていうか、今回のリメイクでもっと綺麗に直すと思いきや、そのまま残してあるのが最高に草です。



【改善してほしい】仲間への感情移入(ネタバレ注意)

シナリオ専門の人間ではないので、普段は多少の粗さはそこまで気にならないのですが、本作で一番気になったのはゲーム部分ではなくシナリオ面でした......。


母親のような存在であるグレミオが、超厳しい条件を乗り越えて復活したというのに、主人公が全く無反応なのはどういうことですか!?!?! 泣いてくれよマジで!!!! 「我らに勝利を!」という主人公の反応を見た瞬間、感動が完全に0になりました……。

こういった部分が意外と雑なのもこのシリーズの特徴ではあるのですが......


そして初期から「悲しい別れ」のイベントが爆発的に連続します。ただ実際はそのNPCと知り合ってから10分くらいしか経っていないため、正直誰が死んでも誰と別れても全く悲しくありません。感情移入が圧倒的に足りないんですよね。

なので後半に母親のような存在であるグレミオとの別れが訪れたとき、やっと初めて本当の悲しみを感じられたわけですが......その復活イベントがあんなに雑に扱われてしまったのは本当に納得がいきません。



【改善してほしい】意味不明なオプション分け

タイトル画面のオプションで「設定1」と「設定2」に分かれているのが謎......!??

最初はⅠとⅡのような個別スロットかと思ったのですが、中身の項目が違うので単に別の設定項目が割り振られているだけのようです。だったら「設定1」の中に全部まとめるか、タブで分ければいいのに、わざわざ外でに「設定2」を並べる理由って何なんだろう......!? アウトゲーム専門ではないので開発側の意図がなかなか読めないところです。


あと言語選択がタイトル画面の一番外にあるのに、ゲーム内のオプションにも変更不可能な言語項目が並んでいるのは地味にもやもやします......!



【改善してほしい】他諸々

・セーブポイントの配置密度が不安定

あとどれくらい進んだらセーブできるのかが読めなかったり、セーブポイント間の距離が異常に離れているパートが多かったりして、プレイ中の安心感はやや低めでした。


・本拠地内の機能NPCの配置変化

本拠地はメインシナリオの進行に応じて段階的に大きくなり、リフォームもされていくのですが、重要な機能を持つNPCが移動してしまうことがあります。そのせいでほぼ終盤まで「誰が何階にいるのか」を覚えられませんでした。せめて基本機能を持つNPCの場所はある程度固定しておくべきだったかなと思います。


・装備の適正確認が不便

入手した装備を誰が装備できるのか、実際にそのそれぞれキャラの装備画面を開いて試してみないと分からない仕様はかなりストレスを感じました。他のゲームであれば新しい装備を手に入れた時にワクワクするはずですが、今作では「めんどくさいな、誰が装備できるのか全然分からない......」という気持ちの方が強くなってしまいます。キャラごとに個別の所持枠(バッグ)を持つ特徴的なシステムだからこそ、誰が何を使えるのかという情報をより分かりやすくプレイヤーに伝える工夫が必要だったと感じます。


・キャラクターのバトル性能の差別化

仲間数が非常に多いため、工数的に全員の独自性を出すのが難しいのは理解できますが、キャラクターごとのバトル性能に少し特徴が足りない印象を受けました。それなら「特定状況でしか役に立たない極端な性能」をバラつかせても良かったのかなと思います。例えば「命中率は100%だが攻撃力は平均の半分以下」というキャラクターを用意し、回避率が異常に高い敵が出てくるマップを置くなど、ピンポイントで輝くキャラがいても面白かったはずです。パラメータのわずかな差だけに留まっているのは少しもったいなく感じました。


・状態異常アイテムのバランス

細かい部分ですが、毒消しの入手量が多い割には、そもそも毒状態になる機会がほぼほぼ無いのは一体......!?


■個人的な評価

仕様や作りの粗い部分が異常に多い作品ではありますが、制作陣の情熱と圧倒的なボリューム感がしっかり伝わってくるため、そうしたマイナス面をすべて吹き飛ばして楽しめる魅力を持っています。


開発チームがこうした点を認識し、UXを本気で改善してくれれば、間違いなく超高得点の神作になるポテンシャルを秘めたタイトルだと思います。

このゲームは、このくらいの価値があると思います:
2000円
この値段以下で購入できれば、本当におすすめです!

■記念のスクショ一枚

プレイしていて、一番心に残った記憶的な画像を一枚!

暖炉と戸棚のある宿の部屋で、青と紫の服の2人がテーブルを挟んで飲み物を掲げて乾杯しているピクセル画。




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